
所得税は、日本に住むすべての人が関わる税金のひとつです。
しかし、社会経験の浅い20代の皆様では、「そもそも所得税とは?」「どのように計算されるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、所得税の基本から計算方法、さらに節税対策まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
確定申告を控えている方や、税金の仕組みを理解したい方に向けて、専門的な情報をやさしい言葉でお届けします。
1. 所得税とは?基本的な仕組みを解説
所得税は、個人の所得(収入)に対して課される税金です。
会社員、個人事業主、投資家など、すべての収入に関わるため、基本的な仕組みを理解しておくことが大切です。
所得税の概要
- 個人の所得に対して課される税金です。
- 会社員は給与天引き、個人事業主は確定申告で納税します。
- 累進課税制度を採用しており、所得が多いほど税率が高くなります。
2. 所得税の計算方法と税率の仕組み
所得税は、収入に応じて税率が決まり、累進課税が適用されます。
【重要】課税所得の考え方
課税所得とは、収入から各種控除を差し引いた後の金額のことです。
控除を活用すると課税所得が減り、所得税が少なくなります。
所得税の計算式:
(収入 - 所得控除) × 税率 - 税額控除 = 納付する所得税額
3. 一般的な会社員の年収の場合の所得税計算例

例:25歳年収500万円の会社員の場合
- 収入:500万円
- 給与所得控除:144万円(※国税庁の基準に基づく)
- 課税所得の計算:500万円 - 144万円 = 356万円
- 基礎控除:48万円
- 社会保険料控除:年間約75万円(仮定)
- 課税所得:356万円 - 48万円 - 75万円 = 233万円
- 適用される税率:10%
- 所得税額:233万円 × 10% - 97,500円 = 135,500円
このように、控除をしっかり活用することで、税金を抑えることができます。
4. 所得税を減らす方法|控除と節税対策
所得税は、控除を活用することで大幅に削減できます。
主な所得控除一覧
控除の種類 | 内容 | 控除額 |
---|---|---|
基礎控除 | すべての人が適用できる控除 | 48万円 |
扶養控除 | 扶養家族がいる場合 | 38万円~63万円 |
配偶者控除 | 配偶者の所得が一定以下の場合 | 最大38万円 |
医療費控除 | 年間10万円以上の医療費が対象 | 支払額から一定額 |
生命保険料控除 | 生命保険の支払いに応じて適用 | 最大12万円 |
地震保険料控除 | 地震保険に加入している場合 | 最大5万円 |
社会保険料控除 | 健康保険や年金などの支払い分 | 全額控除 |
小規模企業共済等掛金控除 | iDeCoなどの積立に適用 | 掛金額全額 |
控除の考え方とお得な仕組み
控除が増えると課税所得が減り、所得税が少なくなります。
例えば、課税所得300万円の場合、10%の税率が適用されます。
控除を50万円増やせば、課税所得は250万円になり、結果的に5万円の税金が減ります。
5. 所得税の申告方法|確定申告の流れ
確定申告を正しく行うことで、払いすぎた税金を取り戻すことができます。
確定申告の基本フロー
- 収入と経費を整理します。
- 必要書類を準備します。(源泉徴収票、医療費の領収書など)
- 確定申告書を作成します。(e-Taxまたは書面提出)
- 申告書を提出し、納税します。(3月15日まで)
6. よくある質問|所得税の疑問を解決!
Q1. 会社員でも確定申告は必要ですか?
A. 副業収入が20万円を超えた場合や、医療費控除などを利用する場合は必要です。
Q2. 住民税と所得税の違いは何ですか?
A. 所得税は国税、住民税は地方税で、計算方法も異なります。
Q3. 所得控除と税額控除の違いは何ですか?
A. 所得控除は課税所得を減らす仕組みで、税額控除は計算後の税額を直接減らします。
まとめ
所得税は、誰にとっても関わりのある重要な税金ですが、正しい知識を持つことで適切に管理し、節税も可能です。
本記事で紹介した基礎知識や控除制度を活用し、賢く税金対策を行いましょう。
確定申告の準備を進める際にも、ぜひ参考にしてください。